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自社の回線構成が「なぜこうなっているのか」疑問に感じたことはありませんか。現場ではアナログやISDN、ひかり電話が重なり合い、構成が複雑化しがちです。
この記事では、回線種別の違いよりも「なぜ混在が起き、なぜ全体像が見えづらくなるのか」という現場の実態を解説します。現状把握や見直しのポイントも具体例を交えてご紹介します。
※ここでは、IPベースの音声サービスについて、現場での利用が多い「ひかり電話」を中心に扱います(IP電話には他にもクラウド型や直収型など複数の形態があります)。
音声通話の回線にはアナログ、ISDN、ひかり電話といった複数の種類があります。しかし、実際の現場で重要なのは、その違い自体ではなく、それぞれがどのように組み合わさり、現場で運用されているかという点です。
新しい回線に切り替える際も、既存の回線が一度にすべて入れ替わることはほとんどありません。むしろ、古い回線と新しい回線が並行して使われる状態が長く続くのが一般的です。このような「重なりながら移行する」状況が、現場では当たり前となっています。
回線の違いの理解も重要ですが、実務においては、自社の構成がどのような状態になっているか、その全体像を把握することが優先事項となります。

【主な回線種別の特徴(概要)】
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回線種別 |
特徴 |
現在の位置づけ |
|---|---|---|
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アナログ |
従来型の単純な音声回線 |
一部で利用、徐々に縮小 |
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ISDN |
デジタル回線(複数チャネル) |
新規終了、既存構成として残存 |
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ひかり電話 |
IPベースの音声通信 |
現場での利用が多い |
アナログとISDNは物理媒体が同じ「メタル線」であるため、通信方式が違うだけと捉えると理解しやすくなります。ひかり電話は光ファイバを使う点で、物理的にも異なる回線です。
このように、それぞれの回線は特徴や現在の位置づけが異なります。ただし実際の現場では、これらがきれいに世代交代するのではなく、複数の方式が同時に運用されているケースが少なくありません。次章から、その実態について見ていきましょう。
電話回線の移行は、ある日を境にすべてが新しい方式へ切り替わるものではありません。たとえば、ひかり電話への移行が進んでいても、現場ではアナログ回線やISDNがそのまま残り、長期間にわたって複数の方式が同時に使われています。

この「重なりながらの移行」は、機器の更新や業務システムの都合により一斉切り替えが難しい事情があるためです。結果として、回線は「置き換え」ではなく「共存しながら徐々に移る」ものと捉えておくことが、現場を正しく理解するうえで欠かせません。
実際の現場では、アナログ、ISDN、ひかり電話といった回線が混在しているケースがほとんどです。これは、設備の更新タイミングや業務の都合、過去の追加・変更が重なった結果として自然に発生しています。
どこかの拠点はすでにIP回線に移行している一方、別の拠点ではISDNが残存しているといった状態も珍しくありません。この「複数方式の同時運用」は決して例外ではなく、ごく一般的な現象です。よって、回線の種別ごとにきれいに分かれているはず、という前提から考え直す必要があります。
電話や通信の現場では、アナログ回線、ISDN、ひかり電話といった異なる仕組みが同時に存在していることが珍しくありません。複数の回線や仕組みが入り交じった状態は、決して特殊なケースではなく、ごく一般的な現象です。
なぜ一斉に新しい方式へ切り替わらないのか、なぜ過去の構成がそのまま残りやすいのか。その背景には、現場の設備や運用、長年の追加・変更の積み重ねなど、構造的な事情が影響しています。ここでは、こうした混在が起こる理由を二つの観点から解説します。
混在が起きる理由は、大きく「構造的に切り替えが難しい事情」と「過去の積み重ねが残る事情」の2つに整理できます。

回線や仕組みが混在する主な理由は、現場で一斉にすべてを新しい方式に切り替えることが現実的ではないためです。たとえば、ネットワーク側ではIPベースへの移行が進んでいても、オフィスや拠点ごとの設備や配線、接続している機器の都合で、すぐに全体を入れ替えられないケースがほとんどです。
参考:総務省|電気通信政策の推進|固定電話網の円滑な移行
そのため、従来の仕組みと新しい仕組みがしばらくの間、並行して使われることになります。また、業務システムやPBXなどが特定の回線方式しか対応していない場合、移行のタイミングを合わせるのが難しく、部分的な残存が起こりやすくなります。
もう一つの混在の要因は、長年の運用の中で構成が積み重なり、最適化されないまま維持されてきたことです。たとえば、増設や一部の変更が繰り返されるうちに、古い回線や設備がそのまま残ってしまい、「ガラパゴス化」と呼ばれるような独自の構成になることも少なくありません。
こうした現場では、最新の回線と過去の回線が混在し、全体像の把握が難しくなります。結果として、使われていない回線が放置されたり、回線の本来の用途が曖昧になったりする状況が生まれます。混在状態は、意図的に作られたものではなく、運用の積み重ねによって自然に形成されたものだと言えるでしょう。
前章で見たように、回線の混在は業務システムやPBXの都合で自然に発生します。その中でも特にISDNは「新規申込が停止している一方で、既存回線がまだ多く残っている」という点で、他の回線とは異なる注意が必要です。
ISDNが今も現場で目にされる背景には、業務用途との強い結びつきがあります。POSレジ、EDI、警備システム、FAXなど、業務システムがISDN前提で構築されている場合、簡単には切り替えができません。「ISDNだからまだ使える」ではなく、「業務用途との依存関係が残っているから使い続けている」という状態です。

さらに、2028年12月31日に終了予定というアナウンスが出ているものの、現実の現場では段階的な移行作業の途中であり、ISDNの用途が縮小しながらも「消えきっていない」状況が続いています。
■参考
INSネットの新規申込受付・提供終了について | お知らせ・報道発表 | 企業情報 | NTT東日本
【公式】NTT東日本|「INSネット」のサービス終了|個人のお客さま
この状況は、構成自体がすぐに整理されるものではないこと、そして現場の実態として複数回線が重なって運用されていることを物語っています。今の自社の状況をどう捉え、何から見直すべきか分からず足踏みしている担当者も多いのではないでしょうか。
ただし、ここまで見てきたような回線構成は、複数の要因が絡み合って形成されているため、現場だけで全体像を正確に整理するのが難しいケースも少なくありません。企業の通信環境を整理し、判断できる状態にするには、まず「どの回線がなぜ残っているのか」を客観的に把握することが不可欠です。こうした整理にあたっては、請求情報などの客観データをもとに回線の全体像を可視化し、現状の構成や業務との関係性を一つずつ整理していくことが有効です。当社では、通信料金データを起点に構成の可視化から見直しの優先順位付けまで、段階的に整理する支援を行っています。
現状を正しく把握し、必要な移行や整理を進めることで、コストやリスクの最適化だけでなく、将来の通信環境の変化にも柔軟に対応できる基盤を構築できます。もし自社の通信環境や回線構成に不安や疑問を感じている場合は、まずはご相談いただくことで現状整理の第一歩となります。
ISDNの残存は「新たに選ばれている」わけではなく、過去に導入された構成が業務システムやPBXの都合で維持され続けているケースがほとんどです。そのため、ISDNが残っていること自体を問題視するのではなく、「なぜ残っているのか」「今後どう扱うか」を判断することが重要になります。回線の整理や見直しが後回しになり、必要以上に長くISDNが使われている場合も少なくありません。
ISDNサービスは2028年12月31日の終了が決まっており、新規申込はすでにストップしています。しかし現場では、移行作業が一斉に完了しているわけではなく、実際には移行の途中段階というのが実態です。
業務ごとに必要性の違いや、拠点ごとの事情によって対応の優先度も変わるため、一部の回線だけが残り続けている状況が生まれています。総務や情シス担当の方からは「使えているからこそ後回しになってしまう」「どの回線から着手すればいいか分からない」という声も多く聞かれます。
このような現場の「移行途中」の状態を整理し、どの回線がどんな用途で残っているのかを明らかにすることが、今後のリスク回避やコスト最適化に直結します。通信環境の見直しや現状把握に不安がある場合は、業務への影響も踏まえて優先順位を整理し、段階的な対応を検討することが重要です。
ここまで見てきたように、回線が混在すること自体は珍しくありません。しかし現場で本当に困るのは、「混在している構成そのものが見えなくなる」ことです。その原因は大きく2つ、機器面(PBX・ゲートウェイが違いを吸収)と運用面(引継ぎ不足によるブラックボックス化)に分けられます。この章では、それぞれを具体的に見ていきます。
実際の現場では、PBX(複数の回線をまとめて制御・変換する装置)やゲートウェイといった装置がアナログ・ISDN・ひかり電話など異なる回線をまとめて接続・変換しています。そのため、電話機を使う側から見ると、どの回線が使われているのか区別がつかず、意識しないまま利用しているケースがほとんどです。

たとえば、「普通に電話が使えているから気にしたことがない」といった声がよく聞かれます。技術的な切り替えや変換が機器内部で完結してしまうことが、構成の見えにくさにつながっています。
もう一つの大きな原因が、担当者の異動や退職、あるいは外部業者任せの運用により、構成の詳細がきちんと引き継がれないことです。過去にどのような回線が増設・変更されたのか、なぜその構成になっているのかといった情報が十分に残されていないまま現場が維持されている例は少なくありません。
この結果、現場の誰も全体像を把握できず、「何がどうなっているのか分からない」というブラックボックス化が進みます。こうした状態では、不要な回線が残ったり、リスクやコストの最適化も進まなくなってしまいます。
現場の通信環境では、回線や構成の全体像が分からない、あるいは不要な回線が使われずに残ったままになっているケースが目立ちます。こうした状態は特別な例外ではなく、複数拠点を持つ企業や、長期間運用している環境では日常的に発生しています。

背景には、長年にわたる部分的な追加や変更、個別の事情に合わせた拡張、そして担当者間の引継ぎが不十分だったことなど、さまざまな要因が重なっていることが挙げられます。その結果、回線構成が複雑化し、どこに何が使われているのか分からない「ブラックボックス」状態になりやすいのです。ここでは、実際の現場でよく見られる二つの具体的な状況について解説します。
多くの現場で最も多いのが、回線や通信構成の全体が誰にも正確に分かっていないという状態です。たとえば、電話やFAXは通常どおり使えているものの、「この回線は何に使っているのか」「どの契約が残っているのか」といった詳細が不明なまま運用されているケースが珍しくありません。
過去に新規の業務やシステム導入があった際、その都度回線を増設したものの、後で整理や統合がなされなかったことで、現状の全体把握が難しくなっています。さらに、担当者の交代や外部業者への委託が重なることで、情報が分散し、現場の誰も「全体像」を把握していない状況が生まれやすくなります。
構成が複雑になってしまう背景には、単一の理由だけでなく、複数の事情が絡んでいることがほとんどです。たとえば、業務拡大や新しい拠点の開設ごとに追加された回線、特定のシステムや機器に合わせて個別に導入された構成、そして過去担当者の独自判断で行われた変更などが積み重なります。
加えて、引継ぎが十分に行われなかった場合、過去の経緯や目的が分からないまま回線だけが残り続けることもあります。これらが組み合わさることで、現場では「なぜこの構成になっているのか」「どの回線が本当に必要なのか」という判断が難しくなり、結果的に「整理されていない構成」が温存される原因となっています。
現場の通信回線を見直す際、単に「アナログ」「ISDN」「ひかり電話」といった種類を並べて比較するだけでは、実務上の本質的な判断にはつながりません。多くの企業では古い回線と新しい回線が混在したまま運用されており、なぜその状態が続いているのか、どの構成が今も残っているのかという背景を読み解くことが不可欠です。
この章では、「残存理由」と「構成全体の妥当性」という2つの視点から、現場で押さえておくべきポイントを整理します。これにより、単なる回線の新旧や種類の違いではなく、「なぜその状態なのか」を見極め、今後の適切な判断につなげる考え方が身につきます。
実務の現場では、ISDNやアナログ回線が「まだ残っている」場面にしばしば遭遇します。ここで重要なのは、回線の名前や新旧で評価するのではなく、「なぜその回線が今も使われているのか」という理由や背景を掘り下げて確認することです。
たとえば、システムやPBXが過去の構成を引き継いでいるため、置き換えが進んでいないだけのケースもあれば、業務上の制約やコスト面の事情で意図的に残している場合もあります。表面的な種類の違いにとらわれず、残存理由を整理することが、見直しや最適化の出発点になります。
回線の整理や移行を検討する際、単純に「古いから悪い」「新しいから良い」といった判断基準では現場に合った最適化はできません。むしろ、現在の業務や運用に対して構成が適切か、過剰や不足がないかといった「妥当性」を意識することが重要です。
たとえば、使われていない回線や役割が重複している構成がそのまま残っていないか、業務に不可欠な通信経路が整理されているかなど、全体を構成単位で見直す視点が必要です。こうした見方を持つことで、回線の移行だけでなく、日々の運用や今後のコスト管理にも無理や無駄のない判断ができるようになります。
アナログ・ISDN・ひかり電話といった回線は、単純に置き換わるのではなく、設備や業務の事情によって長期間混在することがあります。そのため、「どの回線を使っているか」だけでなく、なぜその回線が残っているのか、構成として妥当なのかを把握することが重要です。
特にISDNサービス終了が近づく中、回線構成を把握できていないままでは、不要なコストや移行漏れのリスクにつながる可能性があります。まずは請求書や契約一覧をもとに現状を整理し、通信環境の全体像を可視化することから始めましょう。当社では、通信料金データを活用した構成の可視化や見直し支援を行っています。通信環境に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
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監修者|在籍するひかり電話切替アドバイザー
野中 啓祐(のなか けいすけ)
株式会社インボイス ICT営業部
■経歴
2004年に株式会社インボイス入社。約10年間にわたり新規顧客開拓・既存顧客フォローを経験し、2015年より光コラボレーションの営業マネージャーとして大手企業から中小企業まで幅広く担当。
「実現可能なプランニング」をモットーに、これまで300件以上のひかり電話切替支援を実現している。