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パソコンは業務を効率化する便利なツールである一方、正しく使用しないと業務に支障を来す可能性があります。特に、耐用年数を超えた古いパソコンを使い続けると、さまざまなリスクが発生するおそれもあります。そのため買い替えの頻度やタイミング、注意点を押さえておくことが大切です。
今回は、法人パソコンを買い替えるタイミングや、買い替えが必要な理由、買い替え時の流れと注意点について解説します
2018年にMicrosoft社が発表した調査結果によると、法人パソコンの買い替えサイクルの平均年数は5.4年でした。(※)
実情としても5年を耐用年数として考え、パソコンの買い替えを検討する企業が多いようです。一方でMicrosoft社は同調査にて、4年以上経過したパソコンは古いパソコンとみなしており、具体的な頻度としては4年に1回のサイクルでの買い替えを推奨しています。
なぜ4年に1回のサイクルでの買い替えが必要なのか、その理由は大きく分けて4つあります。
※参考:Microsoft.「日本のSMBのPC利用環境に関する調査」
Microsoft社によると、4年以上経過した古いパソコンは、3年以内のパソコンに比べて、修理に出される可能性が3.4倍増加するそうです。(※)
特にディスクドライブが故障した場合、保存していた大事なデータが失われてしまう可能性があり、大きな損失をもたらすことがあります。目立った故障や不具合が起こらなくても、パソコンの起動や反応が遅い、バッテリーの消耗が早い、モバイルネットワークとの接続がうまくいかないなど、日常業務に支障を来すトラブルが頻発するおそれがあります。こうしたトラブルの頻発は、買い替えのサインの一つです。
※参考:Microsoft.「日本のSMBのPC利用環境に関する調査」
パソコンを修理に出すと、戻ってくるまでに一定の時間がかかります。Microsoft社の調査によると、古いパソコンを修理に出した場合、生産時間の損失が129時間(新しいパソコンの2.4倍)にも上るそうです。(※)
目立った故障や不具合が起こらなくても、HDDやSSDが劣化すると処理速度が著しく低下するため、労働生産性が大幅に下がるおそれがあります。
※参考:Microsoft.「日本のSMBのPC利用環境に関する調査」
Microsoft社の調査によると、4年以上経過した古いパソコンを保有するコストは総額で1台あたり約35万円に上るそうです。(※)
上記で説明した故障・不具合にともなう修理費に加え、アップグレードの費用が追加でかかることもコスト増の原因となっています。
※参考:Microsoft.「日本のSMBのPC利用環境に関する調査」
コストの問題で古いパソコンのアップグレードを躊躇していると、パソコンのセキュリティが脆弱になるおそれがあります。悪意のある第三者にセキュリティの隙を突かれて法人パソコンや社内ネットワークに不正アクセスされた場合、大事な機密情報や顧客情報の漏えいにつながったり、データを勝手に改ざんされたりと、さまざまなトラブルを引き起こしかねません。
法人パソコンを買い替えるときの主な流れと、注意すべきポイントをご紹介します。
自社の業務などに応じて、適切な性能・機能を有する法人パソコンを選択します。法人パソコンを一括で購入する場合、業者に相見積もりを作成してもらうと同じスペックのパソコンの価格を比較することができます。
なお、購入時の相見積もりには意外と時間がかかることがあります。買い替えを検討する際は、早い段階で見積りを取ることが大切です。パソコンの交換を急ぐ場合は、リースなど買い替え以外の方法と比較・検討してもよいでしょう。
法人パソコンを買い替える際、古いパソコンに保存されているデータを新しいパソコンに移行する必要があります。まずは古いパソコンに保存されているデータのバックアップを取っておきましょう。
データのバックアップ方法は主に3つあり、自社の環境に合った方法を選択します。
1は外付けのHDDやSSD、USBメモリなどの記録メディアを使ってバックアップを取る方法です。移行するデータが小容量の場合はUSBメモリだけで事足りますが、大容量データを移行する場合はHDDやSSDが必要です。もともと外付けドライブを持っている場合は新たなコストはかかりませんが、ない場合は初期導入費用が発生します。
2は専用のソフトを使ってバックアップソフトを作成する方法です。古いパソコンのデータをシステムごとバックアップできるので、新しいパソコンのドライブにバックアップソフトを入れるだけでデータを移行できます。フリーソフトもありますが、動作が保証されていないものも多いので、安全かつ確実にデータをバックアップしたいのなら有料ソフトの利用がおすすめです。
3は外部サーバーにデータを保存できるクラウドサービスを利用する方法です。インターネット環境下にあれば、サーバーにアクセスするだけでデータを引き出せるので、外付けの記録メディアいらずでデータのバックアップと移行を行えます。一定の容量までなら無料で利用できるクラウドサービスもありますが、大容量データを保存、移行する場合は有料のサービスを利用しましょう。
ステップ1でバックアップしたデータを新しいパソコンに移行します。移行の仕方はステップ1で採用した方法によって異なります。なお、リンクケーブルがあればステップ1でバックアップを取らず、直接古いパソコンから新しいパソコンにデータを移すことも可能です。ただ、基本的に手作業での移行になりますので、手間と時間がかかる点に注意が必要です。
新しいパソコンへのデータ移行が完了したら、古いパソコンを適切な方法で処分しましょう。パソコンは資源有効利用促進法により、メーカーによる回収およびリサイクルが義務づけられています。(※)
メーカー回収は無料で行ってくれるところもあれば、有償対応になるところもあります。あらかじめ使用しているパソコンのメーカーに問い合わせるなどして、正確な金額を把握しておきましょう。
※参考:経済産業省.「パソコンのリサイクル(資源有効利用促進法)」
法人パソコンの買い替えに発生するコストは3つあります。
新しいパソコンの購入費は、パソコンのメーカーや性能、形態によって大きく異なります。また社員全員分の買い替えの場合はコストがかなりの金額に上るため、まとまった資金が必要です。
古いパソコンの処分費用も、有償の場合はある程度のコストがかかります。さらに、古いパソコンで使っていたソフトウェアが新しいパソコンのOSに対応していなかった場合、別途ソフトウェアも新調する必要があります。ソフトウェアの価格は製品によってまちまちですが、中には数万円の費用がかかるものもあります。
パソコンを買い替える場合は新しいパソコンをじっくり比較するだけでなく、発生するコストを考慮して、適切な予算を組むことが大切です。
法人パソコンの買い替えには手間や時間、コストがかかります。もっと手軽に、かつコストを抑えて法人パソコンを入れ替えたい場合は、パソコンをリースするのがおすすめです。
パソコンのリースサービスとは、希望する機種のパソコンを長期的に借りるサービスのことです。買い替えではなく、法人パソコンのリースを利用すると以下のようなメリットがあります。
法人パソコンのリースにかかる利用は、基本的に月額制です。月々一定の料金を支払うだけでパソコンを利用できるため、高額なパソコンを一括購入するよりも導入コストを安く抑えられます。
パソコンが故障や不具合を起こした場合、その都度、修理費用を負担しなければなりません。法人パソコンのリースの場合、月額料金にメンテナンス費用も含まれるケースもあるため、故障や不具合が起こっても、新たに修理費用を負担する必要はありません。
また、耐用年数を超えた古い法人パソコンはもちろん、購入して1・2年程度の新しいパソコンであっても故障や不具合のリスクはあります。リースであれば、購入から間もない場合も対処しやすいでしょう。
買い替えの場合、新しいパソコンを購入すると同時に、古いパソコンを処分しなければなりません。リースの場合、契約期間終了後は使用していたパソコンを返却するだけなので、古いパソコンを処分する手間とコストを省けます。
法人向けパソコンのリースサービスでは、ビジネスの利用に適したパソコンを厳選して提供しています。具体的には十分なセキュリティ、業務に快適に使えるスペック(CPUやメモリ、ディスク容量など)、ノートパソコンなら持ち運びの利便性などです。
リースできるパソコンは複数から選べる場合がほとんどなので、自社のニーズに合わせて最適なパソコンを使用することが可能です。