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ITシステムを導入するときに見るべきコストとして、TCO(Total Cost of Ownership)が注目を集めています。TCOは日本語で総保有コストといい、ITシステムを導入・運営・管理するときにかかる総費用を指す言葉です。
ITシステム導入の目に見えるコスト、目に見えづらいコストをそれぞれ知ることで、目先の利益に囚われないコストダウンを実現できます。
本記事では、TCOとは何か、計算方法、TCO削減のポイントなどをわかりやすく解説します。
TCOとは、日本語で総保有コストといい、ITシステムの導入に必要なイニシャルコストや、運用に必要なランニングコストなどを合計した全てのコストを表す言葉です。総務省は、TCOを「コンピューターシステムなどの導入・運営・管理などに掛かる総費用」と定義しています。(※)
TCOに含まれる費用は、目に見えるコストと目に見えづらいコストに分けられます。目先のコストではなく、目に見えづらいコストも含めて考えることで、費用対効果(ROI)を意識したIT投資を実現可能です。
※出典:総務省.「自治体クラウドの現状分析とその導入に 当たっての手順とポイント」
TCOの目に見えるコストの例は以下のとおりです。
ITシステムやパソコン、アプリケーションなど、IT投資におけるイニシャルコストを目に見えるコストと呼びます。しかし、ITシステムを保有するコストは、目先のイニシャルコストだけではありません。
TCOの特徴は、目に見えるイニシャルコストだけでなく、目に見えづらいランニングコストや機会損失を考慮する点にあります。TCOの目に見えづらいコストの例は以下のとおりです。
近年では、目に見えるコストだけでなく、目に見えづらいコストの削減を課題に掲げる企業が増えてきました。例えば、株式会社インボイスが2022年2月に実施した調査では、パソコンに関わる費用で特に解決したいこととして、42.6%の人が「運用に関わるコスト」を挙げています。(※)また、27.3%の人が、ノートパソコンの「故障対応」に一番手間がかかっていると回答しました。
このようにITシステムだけでなく、業務用のパソコンを導入するときもTCOを意識し、将来の運用や故障対応も含めて考える必要があります。
※出典:株式会社インボイス.「dynabookパッケージの販売なら株式会社インボイス」
TCOの計算方法は、以下の3つのステップに分けられます。
まずは目に見える導入コストから計算し、運用コストや機会損失などの目に見えづらいコストを算出しましょう。TCOを3つに分けて考えることで、ITシステムの総保有コストを見える化できます。
TCOを見積もる際は、計算しやすい導入コストから始めましょう。まずはITシステムの導入にあたって、どのような項目で支払いが発生するかを洗い出し、それぞれの金額を見積もります。
重要なのは、ハードウェアや周辺機器の購入費用だけでなく、ITシステムの開発費用や、企画に関わる人件費も考慮している点です。
こうした費用を合計し、導入コストとして算出します。
次にITシステムの運用や維持管理に関する項目を洗い出し、それぞれの金額を算出します。
例えば、運用コストの例は以下のとおりです。
ITシステムの運用といっても、サーバーの管理費用から、保守運用に関わる人件費まで、多岐に渡る項目があります。また、重要なデータのバックアップや、障害発生時に備えた対策など、将来のリスクを軽減するためのコストも含まれます。
TCOでは、システムの故障や不具合によって生じる機会損失もコストとして計算します。ITシステムに障害が起きた場合、復旧や原因究明を行う人員の人件費や、業務が遂行できないことによる機会損失、関係者への損害賠償の支払いなど、さまざまなコストが発生する可能性があるでしょう。
例えば、目先のコストだけで判断してパソコンのセキュリティ対策を怠ると、ウイルス感染やサイバー攻撃の被害を受け、大きな損失につながるかもしれません。ITシステムの導入コストだけでなく、運用コストや将来の機会損失も想定し、総合的に費用対効果を分析することが大切です。
TCO削減とは、ITシステムの総保有コストの観点から、長期的な視野に立ってコストを削減することを意味します。目先の利益だけを考えたコストカットは、TCOの削減にはつながりません。
TCOを削減するときは、以下の2つのポイントを意識することが大切です。
TCOの削減に取り組むときは、長期的な運用を前提として、将来の変化も考慮に入れることが大切です。
例えば、TCOの削減のよくある失敗事例として、以下のようなものがあります。
目先の導入コストや運用コストだけでなく、業務拡大や社員数増加などのビジネス環境の変化や将来のシミュレーションに基づいてTCOを見積もることが必要です。
パソコンを新たに導入する場合、購入以外にもリースという選択肢があります。リースとは、初期費用を節約し、必要な台数のパソコンを毎月レンタルする方式のことです。
パソコンのリースサービスの中には、導入後のメンテナンスが付いたものもあります。そのため、工場出荷状態のパソコンのキッティングや、故障が発生したときの修理対応にコストがかからず、TCOの節約につながる場合があります。
テレワークやリモートワークが普及した今、パソコンが故障したときの対応に時間がかかってしまいます。メンテナンスフリーのリースサービスを利用すれば、導入コストだけでなく、運用コストや機会損失のコストを節約することが可能です。
TCOを見直すタイミングは以下の2つです。
システムを新しく導入するときや、別のシステムに移行するときは、TCOを計算し直すベストなタイミングです。古いシステムのTCOを参考にしながら、ITコスト全体を見直しましょう。
ITシステムを新しく導入する場合は、導入済みの他のシステムのTCOと比較しましょう。他のシステムのTCOを踏まえて、導入予定のシステムの費用対効果を検討することで、無駄なコストを削減できます。
システムの移行や入れ替えを行うときは、古いシステムの運用実績を基にTCOを算出できるため、よりTCOを削減しやすくなります。
例えば、機会損失の金額については、実際の故障や不具合の事例に基づいて、正確に金額を計算可能です。
古いシステムの導入コスト、運用コスト、機会損失の3つを計算し、新しいシステムのTCOと比較しましょう。両者のTCOを比較することで、システムの更新が本当にTCO削減につながるのかどうかが分かります。
TCOとは、ITシステムやパソコンを導入し、廃棄するまでのライフサイクル全体に関わる総費用を指す言葉です。TCOは、システムの導入コストなどの目に見えるコストと、運用コストや機会損失などの目に見えづらいコストの2種類に分けられます。目先のコストだけでなく、目に見えづらいコストも含めてコスト全体を見直すことで、ROIの改善につながります。
パソコンのTCOを削減するなら、株式会社インボイスの「dynabookパッケージ」がおすすめです。「dynabookパッケージ」は、パソコン導入後のキッティングやメンテナンスが付属したリースサービスです。パソコンが故障した際も2営業日以内に代替機を希望する場所に発送できるため 、機会損失を抑えられます。
パソコンの購入費用や運用に関わるコストや故障時の機会損失も抑えられるため、TCOの削減につながります。パソコンに関わるコストの見直しなら、インボイスの「dynabookパッケージ」をご検討ください。