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事業を営むうえで、電話代やインターネット代などの通信費は必要不可欠な経費です。IT化やリモートワークの普及が進んだ現代、企業が支払う通信費は以前よりも高額になっていると考えられます。
事業に欠かせないがゆえに削減が難しいと思われがちな通信費ですが、実は工夫次第で削減が可能です。本記事では、法人の通信費を削減する方法について解説します。
法人が支払う通信費の削減を目指すときは、費用の内訳を把握しておくことが肝心です。まずは、事業で発生する通信費の内訳をみてみましょう。
まず挙げられるのが、インターネット通信費です。今や、事業でインターネットを使用していない企業はゼロに等しいのではないでしょうか。インターネット回線は、企業の営業所に不可欠な設備です。お客様との連絡手段としてはもちろん、ECサイトの運用やWebマーケティング施策、社内のWeb会議など、あらゆる場面でインターネットが必要となります。
テレワークが普及した影響でインターネットがより重要となり、負担の増加に頭を抱えている企業は多いかもしれません。
一般家庭では利用頻度が下がりつつある固定電話ですが、法人においてはまだまだ欠かせない存在です。この固定電話の回線費も、通信費を高額にする一因です。
固定電話の利用で発生する費用としては、「外線通話料」と「転送料」の2つが挙げられます。固定電話は、距離に応じて料金が変わり、通話の相手との距離が離れるほど料金は高額になります。遠方のお客様と連絡する機会が多い企業にとっては大きな負担となります。また、電話を転送するときは受電した側で固定電話の通話料が発生するため、こちらも企業にとって負担になりやすいコストです。
現代のビジネスでは、携帯電話の活用が欠かせません。外回りをする従業員には一人一台の携帯電話を持たせることが当たり前になっていますし、テレワークをしている従業員に社用携帯を持たせている企業もあるでしょう。
法人の規模によって契約台数は異なりますが、一社で100回線、1,000回線単位の携帯電話を契約しているケースもあります。その一台一台に数千円の費用が発生するため、トータルで見ると非常に大きな負担となります。
紙ベースでのやり取りが多い企業では、FAX代もかさむでしょう。FAXは電話回線を用いて送信するため、電話と同じように費用が発生します。さらに、FAXの印刷に必要なインクや紙の費用もかかるため、ランニングコストがかさみます。
フリーダイヤルとは、電話をかけた側ではなく受けた側が通話料を負担する電話番号のことです。お客様からの問い合わせが多い企業や、電話受付をしている企業では、フリーダイヤルの採用が多い傾向にあります。お客様にとってはメリットが多いフリーダイヤルですが、企業側の負担は大きく、お問い合わせが増えるほど通信費がかさみます。
事業内容によって異なるため一概にはいえません。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてテレワークを活用する中小企業も多いです。(※)こうした企業の場合、従業員一人あたりに支払う通信費が従来よりも増加しているかもしれません。
通信費に分類されるさまざまな費用のうち、固定電話や携帯電話などの電話代が大きな割合を占めている点が特徴的です。そのため、通信費を削減したい場合は、電話のプランを見直すことが非常に重要となります。
通信費用を見直す際は、最初に利用状況を把握しましょう。利用していない通信機器があれば、通信費削減の対象となります。また、複数の通信事業者を比較して安価なプランを選択することも通信費削減につながります。
どちらの削減方法でも注意すべきは、コストカットによる業務への影響を把握しておくことです。費用削減のみを目的としていると、コストカットによって業務効率が低下してしまう恐れがあります。
※出典:総務省「令和3年 情報通信白書(第3節 コロナ禍における企業活動の変化 p.195,196)」(参照2022-09-26)
それでは通信費を削減するためには、具体的にどのようなポイントを見直せばよいのでしょうか。この章では、通信費削減に役立つ見直しのポイントを8つ紹介します。
まずは、利用しているインターネット回線を見直してみましょう。インターネットは回線業者によって料金が大きく異なり、乗り換えるだけで固定費を削減できる可能性があります。また、携帯電話やひかり電話、IP電話と一緒に契約するとセット割を受けられる業者も数多く存在しています。自社に合った割引プランがある業者に乗り換えることで、大幅に通信費を削減できるでしょう。
プロバイダ(インターネットサービスプロバイダ:Internet Service Provider)とは、回線をインターネットに接続する業者のことです。たとえば、社内に光回線を設置しても、回線があるだけではインターネットに接続できません。プロバイダと契約し、インターネットに接続してもらうことで、初めてパソコンでインターネットを利用できます。
インターネットを利用する際は、回線費用とは別にプロバイダの費用が必要です。プロバイダの料金は事業者によってさまざまなので、ここを見直すことで通信費を抑えられる可能性があります。中には、回線事業者とプロバイダ事業者の契約を一本化できるサービスも存在しています。独自の料金プランや特典を用意しているこういったサービスを活用すれば、月額料金や乗り換えにかかる料金を抑えることが可能です。
ただし、料金だけで契約してしまうと、通信スピードや契約後のフォロー体制などに不備が発生し、業務に悪影響を及ぼすリスクがあります。価格とサービスのバランスが取れた事業者かどうかを見極めることが大切です。
固定電話にかかる料金は、「基本料金」「通話料金」「オプション料金」の3種類です。
固定電話にかかる費用の大半を占める通話料金は、契約している事業者によって変わってきます。また基本料金とは、電話回線や電話番号を維持するための基本料金のことです。基本料金に加え、同時に通話できる数(チャンネル数)や電話番号の数に応じて料金が加算されます。
一概にはいえませんが、基本料金が高い場合は通話料金が安く、基本料金が安い場合は通話料金が高くなりやすい傾向にあります。そのため、電話の利用状況に適した料金プランの固定電話会社に乗り換えると、通信費を削減できるのです。
固定電話会社を乗り換えるときは、必ず「課金秒数」をチェックしましょう。課金秒数とは、通話料金が課金される秒数のことです。3分課金と呼ばれるシステムで、「1分電話しても2分電話しても、3分以内であれば同じ料金が課金される」というものです。中には90秒・1秒課金の事業者も存在しており、こうしたサービスを利用すると、短時間の通話であれば料金を安く抑えられるというメリットがあります。
上記のような状況の企業は、固定電話機の数を見直すのも一つの手です。固定電話機を減らせば、固定電話の購入代金や保守費用が不要になります。端末1台あたり、数万円程度の節約ができるケースも珍しくありません。オフィス移転やレイアウト変更時の手間も削減できるため、一石二鳥となります。
従業員に業務用の携帯電話を支給している場合は、携帯電話のプランの見直しも効果的です。近年は格安プランが続々と登場しており、お得なプランに随時乗り換えることで、通信費を削減できます。プランを見直す際は、従業員の通話時間と携帯電話の利用状況を把握することが肝心です。1回の通話時間が短い場合は「5分間定額プラン」、長い場合は「24時間かけ放題プラン」などのプランが適しているでしょう。
固定電話と携帯電話の両方を使っている場合は、キャリアの統一によってコストを削減できます。たとえば、基本料金や通話料金を割引してもらえたり、固定電話と携帯電話間の通話料金を無料にしてくれたりと、コストメリットが豊富なのです。また、請求が統合されて管理しやすくなる点もメリットです。問い合わせ窓口も一本化できるため、業務の効率化が目指せます。
インターネットFAXとは、インターネットの回線を使ってFAXを送受信するサービスのことです。パソコンやスマートフォンから直接相手方のFAXに出力でき、データを受信するときはデジタルデータとして閲覧できるため、FAX機や電話回線が不要になります。インターネットFAXを導入すれば、電話回線とFAX機、インク代、コピー用紙にかかるコストを削減できます。リモートワークにも対応しやすくなるため、大変おすすめです。
固定電話やスマートフォンと同じように、フリーダイヤルサービスも事業者によって料金が異なります。フリーダイヤルの通話料が負担になっている企業は、事業者の乗り換えを検討してみましょう。中には、通話料が割引されたり基本料金が無料になったりするサービスも存在しています。できるだけ複数のサービスを比較し、自社の使用状況に合ったものを見極めましょう。
企業の固定費の中でも大きな割合を占めるのが、通信費です。通信費を削減するためには、インターネット回線やプロバイダ、電話会社やプランなど、多くのポイントを見直す必要があります。
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