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昨今の政府の『温室効果ガス削減目標』の表明やメディアで数多く取り上げられている『カーボンニュートラル』という言葉により『二酸化炭素(CO2)の排出量』を減らす動きが注目されています。
その関係で『CO2排出係数』という言葉を知っていても、一体何のことなのか、まで知っている人は少ないのではないでしょうか?
この記事でCO2排出係数を知り、毎月届いている請求書からCO2排出量を算定しCO2排出量の削減の準備をしましょう!
本記事で分かること
いま、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて世界各国が動いています。
これは温室効果ガスの影響による地球温暖化が、世界規模で問題視されているためです。
温室効果ガスとは、大気圏中に存在し、名前の通り地球に温室効果をもたらす気体のことです。
温室効果ガスは私たちの身近に存在します。
例を挙げると二酸化炭素が該当し、その他にも水蒸気やメタン、フロンなども挙げられます。
様々な国が2050年までのカーボンニュートラル実現を表明しており(中国は2060年)、その数は125か国・1地域になります。(2021年4月時点)
もちろん日本も表明国に入っています。
しかしながら2050年というと今から30年も先の話...(この記事を書いているのは2021年です)
そんな四半世紀以上先の話をしても夢物語になってしまうのではないかという不安があると思います。そして30年をかけて実現するということは、今の考えや思いも含めて、しっかり後世に引き継ぐ必要が出てくるということにもなります。
しかし、掲げた目標をしっかり2050年に実現するために、今から10年後の2030年にマイルストーンを設定してあります。
2030年までに日本は『温室効果ガス削減目標を46%とする』としています。
参考までにアメリカ、イギリスの2030年のゴールを紹介します。
【アメリカ】
2030年までに2005年比で50~52%減らす。
【イギリス】
2030年までに1990年比で少なくとも68%減らす。
日本は2013年比で46%減らすと掲げています。合わせて50%の高みに向けて挑戦するとも表明しました。
簡単に説明すると、温室効果ガスを減らす =(イコール) 二酸化炭素(以下CO2)を減らす。
ということになります。
言い換えると「2030年までにCO2を46%減らそうね!」ということです。
温室効果ガスであるCO2は、主に化石燃料(石油や石炭、天然ガスなど)を燃やすことで発生します。
要は、
私たちの生活に必要不可欠なライフラインである電気をはじめとした、生活を便利に・豊かにしてくれている自動車や電化製品などを使えば使うほど、化石燃料を燃やし、CO2が増え、温暖化を加速させてしまうということです。
温暖化の大きな原因としては、森林伐採も挙げられます。アマゾンをはじめとする世界中の森林地帯が伐採されています。それも人が便利で豊かな生活を送るための行為です。
森林伐採についてこれ以上書くと、本編とは内容がズレてしまうのでここでやめておき、話を戻します。
本記事ではCO2削減と電気に着目して書いていきます。
火力発電所では、化石燃料を燃やすことで発生するエネルギーを電気に変えています。(この過程でCO2が発生します)
その後、電気は企業や商業施設、一般家庭に送られます。
私たちはエアコンを使う、洗濯機を使って洗濯をする、テレビを見る、パソコンを使う...。そのたびにCO2を排出してしまっているということになります。
「じゃあ電気使わなければいい?」
そんなわけにはいきませんよね。
いまや、電気を使わなければ、私たちの生活が成り立たなくなってしまいます。
「じゃあどうすれば...」
そこで注目されているのが、太陽光や風力、水力・バイオマス等の再生可能エネルギーです。
エネルギーを生成する過程でCO2が発生しないエネルギーを使うということです。
「じゃあすぐそれ使おう...」
発想はその通りですが、使いたいと思ってすぐ使えるものでもありません。
「じゃあどうしたらいいの?(2回目)」
私たちがすぐ出来ることとは。
それは、必要の無い電気は使わないこと(節電)と私たちが今どのくらいCO2を発生させてしまっているのかを知ることではないでしょうか。
『CO2(二酸化炭素)換算量』という言葉をご存じでしょうか?
温室効果ガスをどれだけ排出したかを二酸化炭素の排出量として換算したものです。
このCO2換算量を知ることが、私たちの生活でどれだけCO2を排出したかを知る手掛かりとなります。
では、どのようにCO2換算量を出せばいいのか。
聞きなれない言葉かもしれませんが、これは『電気量1kWhあたりのCO2排出量を示す数値』のことで、単位は『t-CO2/kWh』です。
地球温暖化対策の一環で温対法という法律があります。
この温対法により各電気事業者は温室効果ガスの排出量を国に報告する義務があります。
その際に用いているのが『CO2排出係数』になります。
CO2排出係数は発電手法などにより、電気事業者ごとに異なります。
ちなみに環境省は、各電気事業者のCO2排出係数を公表していますので、環境省のホームページより確認することが出来ます。(年一回更新)
※CO2排出係数は請求書には記載されていません。
参考:環境省HP 温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度
https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/calc
CO2排出係数には以下のように2種類あります。
●基礎排出係数とは
電気事業者が発電するために排出したCO2の量を推し量る指標。
以前は実排出係数と呼んでいた。
●調整後排出係数とは
基礎排出係数にJ-クレジット制度分を反映した指標。
J-クレジットとは、国が認めたクレジット制度であり、温室効果ガスの排出削減量や吸収量を『クレジット』として売買可能な制度です。
そのクレジットの売買行為を『カーボンオフセット』と呼びます。
例)
排出された温室効果ガスに見合った量の温室効果ガスの削減活動に寄付や投資をする。
削減活動に間接的に関わることが可能になり、関わることで排出量を埋め合わせるという考え方になります。
私たちが使った電気によるCO2排出量を計算しようと思ったら、以下のような計算式になります。
『CO2排出量=電力使用量×(契約している電力会社の)CO2排出係数』
※¹電力使用量は毎月届く請求書に記載されています。
※²CO2排出係数は電気事業者よって異なるので環境省のHPをご覧ください。
前項でCO2排出係数には2種類あると説明しました。
『基礎排出係数』と『調整後排出係数』どちらをあてはめればいいのでしょうか?
結論としては、国への報告資料にはそれぞれで算出し報告する必要があります。
しかし、私たちが日ごろ便利に豊かに生活できている反面、排出してしまっている温室効果ガスの排出量という観点で言えば、調整後排出係数をあてはめるべきだと思います。
これは上記にも書いたとおり『調整後排出係数』は温室効果ガスを減らそうとする活動が加味されている係数になっているからです。
今は料金見合いで自由に電力会社を選択することが出来る時代です。
しかし、私たちは自身の家庭や働いている企業で使っている電気について、正しい知識を持ち"CO2排出量を減らす"という観点を忘れてはいけません。
<確認してみて下さい>
請求書から毎月の電力使用量を確認し、環境省のホームページから契約している電気事業者の基礎排出係数と調整後排出係数を知って、CO2排出量を算定しましょう。
▼今すぐに使っている電気量からCO2排出量を調べる。
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